私は外資系コンサルティングファームに転職する前、とあるバイオベンチャーより内定のオファーレターを受け取りました。そのオファーレターの条件を簡単に紹介しますと、
・月収:90万円/月
・インセンティブ:年収の20-30%
・RSU:300万円/年
・日当:0.3万円/日
でした。年収に概算すると1,500万円以上です。当時の年収が800万円程度でしたので、そのバイオベンチャーからは約2倍の年収を提示して頂きました。
このような高条件をバイオベンチャーから提示されたにも関わらず、結果として私が内定を辞退した理由はMRを続ける覚悟がなかったからに尽きます。
当時の私は20代でしたので、社名、学歴を利用したポテンシャル採用により、総合商社、コンサルティングファーム、優良ベンチャーをはじめとした業界へのキャリアップ転職の可能性があると考えておりました。
しかしながら、MRからMRの転職をした時点でその可能性は限りなくゼロになります。この現実を受け入れる覚悟が当時の私にはありませんでしたので、バイオベンチャーの内定を見送る決断をしました。
また、年収1,500万円のMRであるにも関わらず、バイオベンチャーでマネジメント経験ができる機会の少なさに対する不安もありました。
バイオベンチャーにおけるマネジメントポストの枠には限りがあり、その枠は会社が成長しない限り増えることがないからです。
バイオベンチャーの当時の時価総額は数千億円、国内製薬会社でいえばサンバイオ以上アンジェス未満の規模ですから、組織がいかに小さいか容易に想像できるでしょう。
また、バイオベンチャーの次のキャリアステップとして大手製薬会社のマネジメント職が考えられますが、流石にマネジメント経験のない人間に対して年収1,500万円以上のオファーを提示する可能性はかなり低いです。
以上のように、私は目先の年収よりも将来のキャリアの可能性に賭けて年収1,500万円のバイオベンチャーの内定を辞退しました。
今を振り返って、この決断が正しかったと自信を持って言えます。しかしながら、当時はめちゃめちゃ悩みました。なぜなら、年収が700万円以上も上がるわけですから。断れた自分、素直に凄いと思います。
もちろん、年収800万円も年収1,500万円も生活レベルが大きく変わらないことに気づいたのも事実です。年収900万円超えると、その超えた分の半分くらいを所得税、住民税で徴収されるので、手取りに直せば年間350万円の増額に過ぎないからです。
そして、セルジーン、ギリアドのようにバイオベンチャーが急成長すれば良いのですが、基本的にバイオベンチャーは10年以上も働ける場所ではありませんので退職金相当分の給料が年収に上乗せされて当然なのです。
話が逸れましたが、給料と同じくらいキャリアが拓ける可能性を重視しての転職は大切ですって話でした。もしも転職に関するご相談がございましたら、下記より無料会員登録後、私までご相談ください。